当社取り扱い中国製食器について

当社では、国産陶器・陶磁器の他中国製の陶磁器(白い食器)も取り扱っています。
中国製食器は、年間およそ120万ピースを販売させていただいています。
そこで、安心してご使用いただけるように解説ページを設けています。

知っておいていただきたい磁器製品の基礎知識

磁器製品とは

原料に石(陶石)を使用し、密度が高くキメの細かい素地で出来ているものです。
白い食器への完成段階での焼成温度は1300℃以上!(←ここがポイント!)
指で弾くと高い金属質の音がして、原料が土(陶土)の陶器とは別のものになります。

これらは、生産が国内・国外であってもすべて共通の事項です。

お客様の不安要因No1!「安全性について」

当社にて販売している中国製品は、日本で企画され、中国にて無数にあるメーカーの中から厳選したメーカーを選出し、実際にメーカーへ出向き、メーカーの設備・生産・管理機能を見た上で、既に欧米から高い評価を得ているメーカーに絞り込み生産を委託しています。
現地に品質管理を行うスタッフを常駐し、信頼あるメーカーであっても管理の目を緩めることはありません。
日本からも毎月現地へ出張して、改良・改善、新商品の開発など協議を重ねて続けています。

鉛・カドミウム問題について解消!

磁器製品において鉛・カドミウムの溶出は、1300℃以上の高温焼成により払拭されます。
当社取扱い製品は1380℃での焼成を行っています。
磁器表面はツルツルとしたガラス釉(ゆう)と呼ばれるガラス質の釉薬(ゆうやく)でコーティングされています。
鉛やカドミウムなど、不安視される物質は、陶石(素地)由来のものではなく、このガラス釉に含まれます。
これは1300℃以上で焼成することで、素地に含侵(浸透)し、陶石の特長であるキメの細かい素地に結着して、素地内部に入り込み、表面に残ったガラス質のコーティングにより外へ溶出することができなくなります。
きちんと焼成されていない場合、国内・国外を問わず、酢酸(お酢)により表面(ガラス釉)からの溶出の可能性が挙げられます。

検査機関では、この点の検査を行います。

釉薬は普段使いの高温のお湯(汁もの)、料理、電子レンジなどの使用で溶け出すことはありません。
製品には製造工程上、ガラス釉が掛っていない部分や面があり「そこから溶出するのでは?」と思われますが、窯業検査場への徹底取材より「1300℃で焼き締められた磁器は、非常に硬く焼き締められることで、無釉(むゆう/釉薬の掛っていない)の箇所からの溶出もない」との回答を得ています。

これらは、生産が国内・国外であってもすべて共通の事項です。

ナゼ?中国メーカーにて生産する理由

マシン成型と呼ばれる丸(円)いものは、機械での量産ができるので、国内品でも比較的安価です。
それに比べて、鋳込み(石膏型に流し込み作る製法)成型でなければ難しい、シャープなカタチや優雅なカタチ、ユニークなカタチは国内メーカーにて生産をすると販売価格で当社販売価格で2~3倍の価格となってしまいます。

安全であるならば、よりリーズナブルにお求めいただけることを追求しています。

当社の販売製品の検査について

専門機関での検査を行っています

磁器製品-財団法人 日本食品検査協会(容器類を検査する機関です)

窯業試験場(陶製品を検査・研究する機関です)

上記の専門機関で釉薬の溶出がないか、検査を行っています。 

ここまでのご説明でお分かりいただける通り、
安心してご使用ください!

LEAD & CADMIUM

陶製品で問題になる 鉛(鉛毒)・カドミウムについて

何故、鉛やカドミウムの溶出検査を行うのか?
もちろん、誤って取り込めば人体に蓄積され甚大な健康障害を引き起こすため、通常、「鉛毒検査」と言い、酸に弱い鉛を酸による浸出溶液にて検査を行うとのことです。
こう書くとなんだか物凄い液体を使うのかと思いますが、検査機関によると濃度4%の酸(「お酢」…そうなんです食酢です)に浸すまたは、食器に入れるなどして12時間・24時間の経過から調査することです。
これにより厚生省の定める基準値を超える濃度が検出されると、その製品は問題アリとなります。
お酢を使うのには、食器の場合もっとも身近な酸がお酢であり、料理や調味料としてだけではなく健康のために、お酢を原液のまま飲用する消費者の方も大勢いらっしゃいます。
そこで、お酢を使用して検査をします。(お酢も結構強力なんですね!)

なぜ鉛(鉛毒)・カドミウムが溶出するのか1 ~磁器の生産工程を踏まえて~

当社取扱い商品を基準に進めさせていただきますが、磁器製品全般につながります。
磁器は、様々な過程を経て製品になるのですがその工程は以下のようになります。

工程の中の*1、*2、*3がポイントとなります。
次の項目で詳しく見ていきましょう。

*1素焼きについて

素焼きは、約800℃ほどの窯で一旦焼き締めます。
素焼きの前の工程で普通に乾燥を行いますが、中国では素焼きの工程を踏まずこの段階でガラス質の釉薬を施し、本焼成に入るところも数年前までは多く、現在もあるそうです(膨大な軒数の窯がありますので、どの程度なのかを掌握することは難しいのですが…)。
当社取扱い製品の窯(メーカー)は、素焼きの工程を踏んでいます。
…と、言うより限りなく、国産品に劣らない製品を輸入するために、国内メーカーと同じ工程を踏んでいるメーカーを選んで生産をしています。
素焼きの工程が無ければそれだけ手間が省けるので、これは価格に返ってきますが、コストが削減される分、安価になります。
鉛毒問題に関係することではありませんが、陶土に含まれる水分が十分に抜けないため、変形の原因や完成品の場合、大変重いものとなるようです。
"こだわり"とまではいきませんが、後述しますがこれはすべての面において大切なことだと考えています。

*2ガラス質の透明釉を施すについて

磁器は、素地自体が石を粉砕した硬くて密度の高いものですが、完成品のあの光沢のあるツルツルとした滑らかな表面は、ガラス質の釉薬をかけることで生まれます。
コーティングをする為、何かが染み込むことも溶け出すこともないのです。
ここでポイントなのは、そのガラス釉は融点を下げるために鉛を含むそうです。
「ここで鉛毒問題に?」と思われるかも知れませんが、これは、次の本焼成で解決します。

*3本焼成について

本焼成は磁器の場合、1300℃以上(~1400℃)の高温の窯で焼成します(ちなみに当店取扱い製品は1380℃前後で焼成されています)。
1300℃…大変高い温度です。
これだけの温度で焼成することで、より硬く焼き締められ何割か収縮します。
この時、*2のガラス釉に含まれる鉛は飛散する割合もあるようですが、ほとんどが、磁器本体に吸収され密度の高い陶石にガッチリ捕まり、硬化してしまうそうです。

そして、表面はガラス状の細かな粒子で塗り固められていることになりますので、表面へ溶け出すことなく、非常に硬く、吸水性がない大変優れたものへと変化します。
これだけの高温で焼成できるのは、原料の粒子が極めて細かく密度が高いためで、薄いものも作ることが可能なのです。

ガラス質に含まれる鉛は1000℃以上での焼成が必要になるとのことです。

結論

結論として、白い食器(絵柄も何も無い場合)からは鉛やカドミウムを心配する必要がないということになります。
しかし、ここに上絵(赤、緑、黄、金等の色釉を使用)をする場合本焼成で焼きあがった上に絵柄を施し、それをもう一度窯に入れます。
この時の焼成温度は800℃となっていますので、ここで鉛を含む釉薬を大量に使い、硬化したガラス質からは素地へ浸透することなく、表面に残ってしまうことがあるようです。

現在、色釉にこれら鉛を含まない無鉛釉薬を使用する動きが高まっています。
基本的には基準値を上回らないように注意し、食品をのせる部分や口のあたる部分の使用を最小限にするなどの工夫をされています。

なぜ鉛(鉛毒)・カドミウムが溶出するのか2 ~ボーンチャイナの生産工程から~

陶製品は、磁器の他、陶器・せっ器・ボーンチャイナ・ニューボンなどがありますが、それぞれに生産の工程が異なります。
ここで話題とするのは磁器同様白い食器として挙げることのできるボーンチャイナニューボンについてです。

ボーンチャイナとは…

ボーン(骨の意)、チャイナ(中国の意)。
"チャイナ"の中国は、陶製品は製法から技法に至るまで中国を習い、はるか昔は世界中でもっとも進んでいたため陶製品を総称した、英語での表現がチャイナとなります(ちなみに、漆器は"ジャパン"となります)。

"ボーン"は骨で、牛の骨を灰(骨灰)にして陶土に混ぜます。
発祥はイギリス。
良質な陶石に恵まれなかったヨーロッパでは磁器は大変、貴重で高価なものでしたが、研究の末、牛の骨灰を入れることで透けるまでに白く薄い陶製品を作り上げることに成功しました。

ボーンチャイナは、陶器や磁器と異なる点が焼成にもあります。
通常、焼成温度は 素焼き < 本焼成 と本焼成温度が先述の通り高いのですが、ボーンチャイナは 素焼き > 本焼成 となります。 
素焼きで1100℃、本焼成で1000℃。

しかし、ここにちょっとした問題が生じます…。 

ボーンチャイナの表面にも、ガラス質の釉薬が使用されていますが融点をさげるため鉛を含むのは同じです。
しかし、素地の性質上、 素焼き > 本焼成 の焼成温度になり、薄く作るということは磁器でも同様(陶器(原料が土)にはない優れた点)困難で、ともすれば高温焼成をすれば焼成途中で割れて しまうことも多く、焼成温度を低くしてしまうことがあるようです。

国内有名洋陶器メーカーさん(名前はあえて出しません)の場合はきちんと管理され、それを行わなければ一気に信頼を失う恐れも高いことがあるのでしょうが、素焼きで1100℃、本焼成で1000℃以上で焼成しているとのことです。
また、その研究にも大変なコストを掛けられています。

では、もし本焼成の温度が低い場合どの様なことが起こるのか…。
ここまで読まれた方はもうお分かりだと思うのですが、ガラス釉に含まれる鉛が陶土自体に吸収されることなく表面のガラス質に留まります。
これが酸に触れ溶出することで問題となるとのことです。
以前鉛毒試験により検出されて問題となった中国製のボーンチャイナについては、焼成温度が低かった(800℃ほどでの焼成)ことが「原因ではないか」と言われています。

ニューボーンとは…

"ニュー"(新しいの意)、"ボーン"(生まれるの意)。
これはまったくの造語で、質のやや劣る陶土でも"ボーン"(ここでは骨のこと)の成分を含ませ、生産の難しい薄胎(ボーンチャイナ)の風合いを残し本焼成の温度を上げることができないか研究され、
骨灰に含まれる陶土を白くする成分のみ(カオリンやガイロメなど)を混入することで、混ぜ物が少なくすみ焼成温度を上げることが出来る新生磁器として、"ニューボーン(ニューボン)"が開発されました。

色味は、クリーム(アイボリー)系と白の両方を見かけると思いますが、焼成方法により変わり、酸化焼成をするとクリーム(アイボリー)に還元焼成をすると青白い白の色を出します。
陶製品、窯の中で起こる不思議です。

面白いですね。

酸化焼成・・・窯の中に十分な酸素を供給しながら焼成を行うこと。

還元焼成・・・窯の中の酸素を制限し、焼成物から酸素を奪い焼成を行うこと。

ちなみに、同じ色釉を使用しても焼成方法を変えることで異なる色味になります。
これは釉薬の金属類が関係しています。

当社では安全性を第一に考えた商品を取り扱っています。
ご不明なことがございましたらお気軽にお問い合わせください。